オフィスやお店、どこへ行ってもエアコンが効いている現代。
季節問わず乾燥が気になる方も多いのではないでしょうか。
正しい保湿ができていないと、いくら手間をかけても乾燥が改善されないこともあります。
今回はスキンケアの基本、保湿についてのお話です。
・・・・・CONTENTS・・・・・
乾燥するとバリア機能が低下
保湿の正しい意味
保湿力No.1はセラミド
セラミド化粧品の選び方
保湿に関するNG常識
セラミド1・2・3配合の化粧品
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■乾燥するとバリア機能が低下
お肌にはバリア機能が働いています。
これにより外部のいろいろな刺激から身体を守ったり、内部の水分などがお肌の外に出ていかないようにしています。
お肌の内側から湧いた水分を角層に蓄えておくことで、健康な角層には約20~30%の水分が含まれています。そしてお肌が自ら作り出すセラミドなどの保湿物質によって、お肌に水分は維持されています。
このように、セラミドは保湿物質として大きな役割を担っているのです。
ところがセラミドを作りだす力が弱まると、角層の水分は空気中に蒸発してしまい、肌内部のうるおいが失われてしまいます。
お肌のうるおいが不足するとバリア機能が低下して外部からの刺激を受けやすくなり、肌荒れや老化の原因になります。
正常なバリア機能を保つには、肌内部でセラミドなどの保湿物質がきちんと働いていることが不可欠。
また角層の水分量が減り乾燥状態が続くと、お肌は硬くゴワゴワしてきます。これは角層が厚くなっているためです。
前途したように乾燥とは角層のバリア機能が損なわれている状態なので、お肌は「角層をもっと作らなくては!」と細胞の生産を速めます。するとその生産ピッチに追いつけない、未熟な細胞が表面に出てきてしまいます。未熟な細胞ではきちんとしたバリアの役目を果たすことができないので、角層はさらに厚くなろうとします。こうなるともう悪循環で、デコボコとした変に厚みのある角層ができ上がってしまうのです。
この悪循環にはまらないために、正しく保湿をすることが必要です。
保湿こそが、スキンケアの要といえるでしょう。
■保湿の正しい意味
うるおったお肌は、正しい保湿ができている証ともいえます。
ではお肌がうるおうとは、どのような状態をさすのでしょうか。
それはお肌がみずから保湿物質をつくり、角層内に水分を蓄えておける状態のこと。
健康なお肌の角層には約20~30%の水分が含まれていますが、これが20%以下になることを「乾燥肌」と言います。冬場など空気中の湿度が50%以下になると、角層の水分が急激に蒸発しやすくなります。お肌がつっぱるなどの自覚症状が表れてきたときには、水分量はわずか10%以下になっていることも。
保湿物質がきちんと働いていれば、湿度が0%になっても水分は蒸発しません。保湿物質をつくる力が弱まると肌内部の水分は蒸発していき、お肌が乾燥します。
しっかりとお肌をうるおすためには、化粧水などで体の外からただ水分を取り入れるのではなく、お肌そのものを乾燥しにくい状態に導くことが大切です。
体の内側から湧き出る水分をお肌の中で保つことができるようサポートすることが保湿の本当の役割なのです。
■保湿力No.1はセラミド
もともと人のお肌にはうるおいを守る保湿物質があります。
角層の水分を守っている保湿物質には、「セラミドなどの角質細胞間脂質」「天然保湿因子」「皮脂」の3つがあります。それぞれが助け合いながら、お肌の水分をキープしています。
角層の水分のうち80%は角質細胞間脂質が守っています。これは角質細胞のあいだにあり、水分の蒸発を防いでいる脂質の一種です。いろいろな脂質がまざり合って構成されていますが、その40%を占めるのがセラミドで、最強の保湿物質といわれます。
続いて16~17%は天然保湿因子が守っています。じつは皮脂の果たす役割は2~3%と非常に小さく、水分を守る力はあまりありません。
角層のなかでパワフルな水分保持力を発揮するセラミド。
しかし残念ながら年を重ねるごとに減っていきます。お肌の新陳代謝の過程でつくられるものなので、代謝が活発な赤ちゃん時代がもっとも多く、それ以降は低下し続けるのです。
セラミドはコレステロールのようなものからつくられていますが、コレステロールを食事からとったり、サプリメントなどで摂取してもセラミドは増やせません。加齢で減っていくセラミドを体の中からつくり出すことはとても困難。
そこで簡単にセラミドを補えるよう開発されたのが、セラミド配合の化粧品です。これを使えば、確実に肌の水分を増やすことができます。乾燥知らずのすこやかな美肌には、セラミド配合化粧品が必須だと覚えておいてください。
■セラミド化粧品の選び方
セラミドは水には溶けないので、化粧水ではなく美容液や乳液に配合されています。
実はセラミドにも種類がいくつもあり、選ぶときには注意が必要です。
最近では植物由来のものなど、いろいろなセラミドが出回っています。「植物由来」というと、肌に優しそうなイメージがありますが、効果を発揮するために何よりも大事なのは人間の肌に近い組成であるかどうかなのです。
人間の皮膚には、約6種類のセラミドがあることが現在わかっています。このうちとくに保水力にすぐれているのは、セラミド1、セラミド2、セラミド3。このいずれかが入っているものを確実に選ぶことが最優先です。
またセラミドは、化粧品原料として比較的高価。類似品もたくさん出回っています。
購入するときには必ず、裏面などに記載されている全成分表示を確認しましょう。たとえセラミドが入っていても、極端に安い商品だと微量しか含まれていないこともよくあります。
価格は化粧品の量や種類にもよりますが、3000円以上の商品を目安に選ぶとよいでしょう。
■保湿に関するNG知識
今まで常識を思っていたことが実は間違いかも。。?
肌がかさつくときは化粧水をたっぷりつける
前途した通りで、ただ外側から水分を入れればOKというわけではないです。
化粧水の構成成分は大部分が水。しかしその水は肌の奥まで入っていかず、乾燥の改善にはなりません。これは角層のバリア機能が働いているため。
浸透するにしても、角層の2~3層程度の深さまでしか行かず、これはすぐに水分が蒸発してしまいうるおいはキープできないのです。
化粧水はマスクでしっかりと浸透させるべし
シートマスクだけでは保湿としての役割を果たしたとは到底いえません。
決してよくないということではないですし、むしろ私は毎日の習慣にしています。
水溶性の他の美肌成分をお肌に入れるにはいいですが、乾燥を改善するには不十分なので、セラミド配合の乳液や美容液などをマスクの後につけるようにしましょう。
化粧水が蒸発しないように油分でフタをすればOK
これには落とし穴が。
いくら油分を塗っても、その化粧品の中にセラミドや水分保持力のある成分が少なければ、すき間をぬって水分が蒸発してしまうため、お肌は乾いてしまいます。
セラミドや水分をキープできる保湿成分の入った乳液なら話は別です。それは乳液でフタするという働きではなく、セラミドに水分をキープするという働きがあるから。水分をつかんで離さないということがもっとも重要。
「油分でフタをする」というより、セラミド配合の乳液や美容液をつけるほうが有効なのです。
オイリー肌・ニキビ肌なので保湿は省略してもよい
オイリー肌や大人ニキビ肌の人は、「ベタつくのがイヤ」とか「油分は必要ない」と思って、化粧水だけで済ませてしまうことが本当に多いもの。
しかし皮脂がお肌の水分を維持する力は強くないため、「すぐに皮脂が出るから乾燥はしないだろう」という認識は間違いです。
保湿をおざなりにすればやはり水分は不足してしまいます。水分不足の肌は皮脂の分泌が促されるために逆にテカりが目立つうえ、角層のバリア機能が低下して、大人ニキビもよりできやすくなるのです。
肌のうるおいを逃さないように洗顔料はしっとりタイプを選ぶ
市販の洗顔料には、さっぱりタイプやしっとりタイプがあります。しっとりタイプには油分が含まれており、すすぎ流したあとに、お肌の上に油分が残るのでしっとりと感じる仕組みになっています。
洗顔後につっぱり感を感じにくくなるため、いいもののようにも思えます。しかし洗顔後お肌に油分が残ると毛穴が詰まる原因となったり、そのあとにつける化粧品などの浸透を妨げることにもつながります。
洗顔は、やはり汚れを落とす目的のみで使用するべきです。
日中はメイクの上からスプレータイプの化粧水を使う
たしかに化粧水をつけると肌表面が濡れますが、これは一時的なもの。例えば唇が乾燥しているときに舌でなめて、一瞬はうるおった感じになっても、そのあとまたすぐに乾きませんか?
じつは肌の上でも同じことが起こります。スプレータイプの化粧水をつけると、蒸発するときに肌の水分も奪ってしまいます。化粧水の大部分は水分で構成されているので、つけた直後は濡れるけれどすぐに蒸発し、蒸発すると乾く・・・・という負のスパイラルに。
★ ★ ★ ★
いかがでしたか?
まとめると、正しい保湿のポイントは
「セラミドなどの保湿物質を補給し、お肌の内側から湧き出る水分をお肌の中に維持すること」です。
現在使用されている乳液や美容液を、セラミド配合のものに是非変えてみてください。
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