
調香師のドミニク・ロピオンによるマルの「ポートレイト・オブ・ア・レディ」です。
(口コミ https://my.cosme.net/open_entry_review/show/review_id/503970113)
ヘンリー・ジェイムズの著作名からインスピレーションを得た香水というところでしょうか。
ヘンリー・ジェイムズは英国の女流作家ジェーン・オースティンが亡くなって30年後にアメリカに誕生し、その後に英国に住むのです。
「読者に委ねた」ラストですが、ヒロインのイザベルは、従来の夫に従属する結婚制度には従わないという女性だったのですが、憧れる未亡人マダム・マールにすすめられて貴族と結婚し、その古風な結婚制度に苦しむこととなります。そして従兄の葬儀のあとが物語の佳境。

皆さんはどんなラストを想像しているのでしょう。大滝詠一ではありませんが「幸せな結末」でしょうか。
ジョージ3世時代のジェーン・オースティンが「偏見と高慢」を書いたのは18世紀から19世紀英国です。19世紀から20世紀英国のヘンリー・ジェイムズとの時代までにヴィクトリア朝がすっぽり抜けているのですが、ベル・エポックのエドワード7世時代。
女性の結婚観はこの18世紀から19世紀までの100年間で何が変わったのでしょう。ジェーン・オースティンは古い結婚観を捨て独身の女流作家。そして彼女の物語に登場するヒロインは、古い結婚観ながら、愛とお金を運んでくれる白馬の王子と結婚する結末です。

ヘンリー・ジェイムズがタイトルに選んだ「ポートレイト・オブ・ア・レディ」(ある婦人の肖像画)は、ウィリアム ・ メリット ・ チェイス、ジョン・シンガー・サージェントがすぐに思い浮かびます。
ヘンリー・ジェイムズは肖像画でも有名なジョン・シンガー・サージェントと交流がありました。
■記事URL http://lohasstyle.jugem.jp/?eid=447
ある貴婦人の肖像画 ヘンリー・ジェイムズとジョン・シンガー・サージェントのイザベラ

ジェーン・オースティンが1813年の5月にロンドンの「スプリング ガーデンズ」の絵画展に出かけたことを知りました。いくつかの絵画展と巡ったようです。姉カサンドラへの手紙にあるそうです。
ちょっとフランス語のwikiだったので詳しくはわかりませんが、どうやら彼女の作品に登場する人物たちをイメージした肖像画を見つけにいったらしいのですね。
ある貴婦人の肖像画(ある婦人の肖像画)は、ジェーン・オースティンも求めていたのですね。
追記 今日は母の日ですが、父の日の贈り物にマルの香水いかがでしょうか。