日焼け止めの塗り直しってできる?塗り方は?メイク講師に聞く、日焼け止めの基本

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日焼け止めの塗り直しってできる?塗り方は?メイク講師に聞く、日焼け止めの基本
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メイクレッスン専門店「MAMEW(マミュ)」のメイク講師に、日焼け止めの選び方や注意点、塗る順番、塗り直し方法などについて教えていただきました。

教えてくれたのは

パーソナルメイクアップサロン MAMEW(マミュ)

経験豊富な講師を独り占めしてメイクスキルを学べる、老舗のメイクレッスン専門店。お顔の分析手法の一つとして、2007年よりパーソナルカラー診断を取り入れている。メイクのプロが診断するので、似合う色やアイテムがわかるだけでなく、実際のメイクで実感できる垢抜け体験が魅力。東京・原宿にある@cosmeの旗艦店「@cosme TOKYO」1階のほか、新宿と銀座に店舗を展開。

どうやって選ぶ? 日焼け止めの基礎知識

「SPF」とは?

肌表面に作用して肌を赤くするUV‐B波を防ぐ指標です。正しく塗ったときに「SPF1=20分」の防御効果を表します。SPF50+は約1,000分(16.6時間)以上の防御効果を発揮します。

「PA」とは?

真皮まで届き肌を老化させる、UV-A波を防ぐ指標です。正しく塗ったときに、+(プラス)の数が多いほど防御効果が高いことをを表します。

最近見かける「UV耐水性」とは?

2022年から徐々に取り入れられるようになった、耐水性効果の表記です。水浴び後にSPF値を保持できているかの指標で、「★」または「★★」で表示されます。

耐水性は「一定時間の水浴後にそのSPF値を保持できているか」を表したものです。ただし日常生活で起こる、動いたり、汗や皮脂が出たり、服や手で擦れたりといった条件を加味した数値ではないことに注意が必要です。

日本で決められている日焼け止めの数値の上限は、SPF50+ / PA++++ / UV耐水性★★です。長く日差しの下にいる場合やレジャーの際には、数値の高いものを選ぶのがおすすめです。

ノンケミカルとは? 紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違い

日焼け止めの成分には大きく分けて2種類あります。

紫外線吸収剤

紫外線吸収剤は、紫外線防止成分自体が紫外線を吸収し、皮膚へ紫外線が届くのを防ぐ仕組みです。白くなりにくい一方で、まれに刺激を感じる人も。

主な成分:メトキシケイヒ酸オクチル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、ジメチルPABA オクチル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等

紫外線散乱剤

紫外線散乱剤は、粉末が皮膚の表面で紫外線を反射・散乱することで、皮膚へ紫外線が届くのを防ぐ仕組みです。白くなりやすいですが、アレルギー反応を起こしにくいのが特徴。ちなみに“ノンケミカル”と呼ばれているものは、紫外線吸収剤を配合していないものを指しています。紫外線散乱剤によって紫外線を防ぐタイプである場合が多いです。

主な成分:酸化亜鉛、酸化チタン

刺激やアレルギー反応が出ないのであれば、どちらを選んでも問題ありません。肌が敏感な方は、強い日焼け止め自体が負担になることもあります。

日焼け止めの注意点

量はどれくらい? 日焼け止めの塗り方の注意点

SPFとPAはそれぞれ、1?あたり2mgを塗布して測定した数値です。日焼け止めの効果を十分に得るためには、規定量をムラなく肌全体にのばすことを心がけてください。

スキンケアの段階で肌をしっかりとうるおわせておくことが大切です。肌が乾燥するとバリア機能が弱まり、紫外線の影響を受けやすくなります。また、乾燥した肌には日焼け止めをのばしにくく、ムラになりやすいです。乾燥によって過剰な皮脂が出ると、化粧崩れの原因にも。丁寧に保湿することで、日焼け止めが肌にとどまる土台をつくりましょう。

完璧にカバーし続けるには、塗り直しが必要

日焼け止めはきちんと肌の上にとどまった状態で、表記通りの効果を発揮します。最近は蒸れや擦れに強い日焼け止めもありますが、100%の状態で肌にとどまり続けるのは難しく、例えば汗をかいてタオルで拭うと、日焼け止めが取れて効果が薄れると考えてください。

SPF/PA値の高いものを使っても、状況によっては完璧にカバーし続けられないことがあるので、紫外線が強い場所にいる場合は基本的には塗り直しを推奨します。

クレンジングを使うのがおすすめ

汗や水、擦れに強い、密着感が高く落ちにくい、ということは、落としにくいということです。きちんと落とせていないことは意外に多いので、メイク用のクレンジング料で丁寧に落とすようにしましょう。クレンジングが十分でないと日焼け止めが肌に残り、肌荒れや乾燥の原因になります。「石けんで落とせる」と書いてあるものでも、クレンジングの使用がおすすめです。

日焼け止めを塗る順番は?

スキンケアの直後に使う

アイテムにもよりますが、【スキンケア→日焼け止め→化粧下地】の順で塗るのが一般的です。

「日焼け止め・化粧下地」と表記されているものであれば、日焼け止めと化粧下地を兼用で使用してOKです。ただし規定の厚みで肌にのっていることで表記通りの紫外線防止効果を発揮するので、十分な量を使いましょう。

メイクアイテムを重ねると物理的に防御効果が高まる

日焼け止め効果のある化粧品を重ねることで、紫外線防止効果も加算式に増えるかというと、そうとも言えません。例えばSPF20の化粧下地にSPF15のリキッドファンデーションを重ねた時の日焼け止め効果が、SPF35になるわけではありません。

数値は一つひとつのアイテムにおいて算出されたものなので、重ねた時の効果については言及できませんが、重ね塗りをすることで厚みが出ます。肌の上に日焼け止め成分が残っていることが紫外線防止に繋がるので、重ねることで塗りムラを防げて、物理的に紫外線防御効果が高まると言えます。

化粧崩れを防ぐためには?

ぬるぬるはNG! 肌になじませる

メイクの前に日焼け止めを塗る場合、厚みのあるものや油分を感じるものは、化粧崩れの原因となることがあります。上からメイクを重ねる場合、サラッと仕上がる日焼け止めがおすすめです。ただし肌が乾燥している方は、サラッとしたタイプだと塗りムラが出たり粉っぽくなったりしてしまうことがあります。肌の状態にあったものを選ぶことが大切です。

日焼け止めはスキンケアと同様、きちんとムラなくのばして肌になじませることが大切です。ぬるぬるするほど肌の上に残った状態でメイクを重ねると、上滑りして化粧崩れの原因になります。

顔の日焼け止め、塗り直しってできる? おすすめの方法

顔の日焼け止めの塗り直しについて、メイクを全く崩さずに上から塗り直すのは難しいです。

メイクを一度落として塗り直すか、メイクが崩れるのを覚悟してメイクの上から塗り直すか、または崩れた箇所をふき取って、紫外線防止効果のあるアイテムを上から重ねるか、などといった方法があります。

塗り直しが必要な状況では、最小限のメイクにとどめる

実質メイクの上から塗り直しはできないと考えると、日差しが強く、汗や水で日焼け止めが落ちそうな状況が想定される場合には、塗り直しを考慮して極力メイク重ねない、または、塗り直しのタイミングで一度メイクを落として、スキンケアからやり直すくらいの気持ちでいることが大切かもしれません。

日焼け止め効果のあるアイテムで化粧直しをする

日焼け止めを塗り直すのが難しい場合は、崩れたメイクを軽く抑えたあと、日焼け止め効果のあるファンデーションフェイスパウダー、スプレータイプの日焼け止めなどをメイクの上から重ねます。物理的に日焼け止めの層を厚くして肌にとどめることで、紫外線を防ぎます。

ただし上から重ねると、どんなにメイク技術があったとしてもメイクしたてのきれいな状態を維持することは難しいので、多少の妥協は必要です。上から重ねると被膜感が出てテカリに見えたり、メイクが厚くなることで崩れやすくなる可能性があります。

日焼け止めの塗り直しを諦めて、物理的に遮断する

強い日差しに長時間肌をさらすような状況ではない「日常生活」の中であれば、塗り直しを諦めるという選択肢もあると思います。日本の一般的な生活環境であれば、朝のメイク時に日焼け止めを塗り、外に出る時には日傘や帽子などで物理的に紫外線を防ぐことで、重大な日焼けは防げると考えられます。

メイクの仕上がりと、日焼け止めの完全な両立は難しいと感じます。メイクを完璧に仕上げておきたい状況では、日焼け止めを意識しすぎずに、物理的な紫外線カットを心がけるのもひとつの手です。

自分にあった方法で、無理なく紫外線対策を行いましょう。

取材協力:パーソナルメイクアップサロン MAMEW(マミュ)

(アットコスメ編集部)

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