
汗腺が十分にはたらかなくなると、無臭のはずの汗が悪臭を放つことも…。汗がにおう理由やその対処法について、医師の五味常明先生に聞きました。
A.お風呂で、サラサラの汗をかくための練習をしましょう

いわゆる「いい汗」というのは、ニオイがなくサラサラとしている汗のことをいいます。汗をかいたとき粒が小さく、かいてもすぐに乾くのが特徴です。
一方「悪い汗」というのは、ベタベタしていやなニオイがある汗のこと。粒が大きくなかなか乾きません。
いい汗をかけるかどうかは、“汗腺(かんせん)”の状態によって決まります。
「悪い汗」がにおう理由
そもそも汗は血液からつくられるものです。汗腺は血液のなかから血球を除いた血しょうをくみあげ、汗として体の外へ出します。
このとき、体に必要な成分が排出されすぎないように、ミネラルを含む血しょうをろ過して体に再吸収するのも汗腺の役割。ここできちんと、ろ過されれば、ほとんどが水分のサラサラとした汗になります。
しかし汗腺機能が衰えていると、血液のなかから水分だけを抽出することができず、血しょうが残ったままの汗を出してしまうのです。
血しょうにはミネラルに加えアンモニアや尿素なども含まれていて、ニオイの元になります。これが「悪い汗」の正体です。
ニオイのない「いい汗」をかくには?
では、どうして汗腺機能が衰えてしまうのかというと、汗をかかないことが原因。
運動をする習慣がなかったり、エアコンの効いた室内で24時間過ごしたり…といった毎日を過ごしていると、汗をかく機会が少なくなります。すると、体を動かさなければ筋力が落ちるのと同じように、汗腺の機能が衰えてしまうのです。
これを回復するためにおすすめなのが、お風呂で“いい汗をかく練習”をすること。次の2種類の入浴法をセットで2〜3週間続けると汗腺の機能が高まり、いい汗をかけるようになりますよ。
<入浴法1>手足高温浴
42〜43度の熱めのお湯に、手と足だけを10〜15分つけます。手足の両方をつけるのが難しい場合は、足首から下だけをつけて足湯にしてもOK。
こうすることで、サラサラのいい汗をかきやすい体の状態になります。
<入浴法2>半身微温浴
36度前後のぬるめのお湯に胃のあたりまでつかり、10〜15分くらいの半身浴をします。
汗のニオイやベタつきが気になるなら、今日からいい汗をかける体づくりを始めましょう。
監修:五味クリニック 五味常明院長

医師。昭和大学医学部を卒業後、昭和大学形成外科などで形成外科学を、多摩病院精神科などで精神医学を専攻。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」の提唱者で、ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。クリニックで治療を行う傍ら、著書を出版、テレビや雑誌など数多くのメディアにも出演。
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(@cosme編集部)