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チャンスは時々不幸の顔をしてやってくる。
その言葉を地で行く友人が、未開封のものを気前よく譲ってくれた。クライアントのプレゼントだが、自分は香水つけないからと。彼女は15年間の運に見放されたかのような時期を、腐る事なく黙々と努力を重ねつつ、ニューヨークのゲットーに住み続けた後、いきなりフィットネスの世界で大成功した。
そんな彼女の影響と縁起担ぎもあって、前向きになりたいと思った時につける。大事なプレゼン、面接、試験などの勝負時は必ず。チャンスという名前のご利益があるかどうかは分からないけど。
まず最初にくるピリッとしたピンクペッパーの香りで背筋がシャキンと伸びる。香水をつけ始めた時は香水イコール柑橘類か花の香りだったので、胡椒の香りなんて!と驚いていたが最近大好きになった。ピンクペッパーはブラックペッパーよりも柔らかくて緊張感の中にも優しさがある。
少し遅れて華麗な花の香りが立ち昇る。ジャスミンとアイリスだが、ジャスミンの方が圧倒的に強い。ジャスミンのバックでアイリスがほんのりしたパウダリーさを添えている。アイリスが入ることによって、尖った薄っぺらい香りになりがちなジャスミンとピンクペッパーの組み合わせに奥行き、優しさ、温かさを与えている。さすがはシャネル、その力加減が絶妙。
ピンクペッパーと花がデュエットを楽しんでいるところに、パチュリがすぐに仲間入り。友人のコンサートに飛び入り出演、ヴォーカル合戦を繰り広げていい意味で場を盛り上げているイメージ。これをクセと取るかコクと取るかで好き嫌いがはっきり分かれそう。私の肌だとジャスミンなどの花の香りよりもパチュリの方が強く出る。美しく強いアメリカンコミックのスーパーヒロインに似合いそう。ワンダーウーマンとか、キャットウーマンあたり。綺麗でセクシーだけど陰陽でいうと完全に陽の香り。
天候や体調によってミドルの香り方が大きく変わることがあってびっくりすることも。大概はピンクペッパー、花、パチュリの三重奏だが、時々瓜系のノートが乱入してきて四重奏になる。瓜系のアコードは入っていないはずなのにどこから紛れ込んでくるのか不思議。
ラストノートのバニラとムスクはかなり甘くて重いがグルマン調にはならない。ここでもパチュリが幅を利かせ、よくある組み合わせのバニラとムスクのいいアクセントになって、個性的なドライダウン。
邪道とは思うがチャンスを湯船にひと吹きして入浴するのが気に入ってる。樹木調の香りにジャスミンとアイリスが混ざってヨーロッパの超高級入浴剤みたいに。お風呂あがりにはバニラとムスクの優しさが柔らかなバスローブのように包んでくれる。残り香があまりに豪華で、寝床に入ってからでも、煎餅か?と思うほどペタンコな私の布団と枕が宮殿の寝室にありそうなフワフワの羽根布団と枕に変身する。夢の中で。
あまり好きではない香水を使い切る方法として紹介される「お風呂に入れる」だが、私にとっては1日の終わりのご褒美だ。張り詰めていた神経と硬ばった身体が芳しい湯煙と共に芯から溶けていく。上手くいかなかった事が頭の中で渦巻いていても、モヤモヤした陰鬱な気分でいても、どこからともなく根拠のない自信が溢れてくる。万事塞翁が馬って言うし、後になってみたら災い転じて福となるかもしれないし、と知っている限りの都合のいい言葉を並べてくつろぐ。
極楽気分で寝落ち寸前まで気分良くウトウトしていると、お気に入りの名言が浮かぶ。
ひとつの幸せのドアが閉じる時
もうひとつのドアが開く
しかし、よく私たちは閉じたドアばかりに目を奪われ
開いたドアに気づかない
By ヘレン ケラー
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