三善 / スティックファンデーション 口コミ

書き直します。
演劇や舞台向けファンデは、均一に、塗り込められたように仕上がるようになっています。顔中の何処も、同じ質感に見えるようにしてあるのです。

一般向けファンデは、近くで見た肌が立体感を持って見えるよう、中の箔が工夫されていて、薄くつけたところは薄く、濃くつけたところは濃く、強弱が分かるのですが、後述する理由で舞台用には、基本、箔を入れないそうです。

舞台俳優の顔を、本番中にじっと見たことが、ありますでしょうか？綺麗な、能面みたいな、人工的な質感に見えます。現実感の薄い質感です。アノヨとコノヨとの境目にいるような気分になる。

コノヨの質感にするためには、一般向けの方がいいのです。アノヨのファンデをコノヨで使うと、現実感の薄い、キャラクターチックな印象を与えます。

舞台用のアイテム（チャコットさんとかもそうです）を使って、「なんだか能面のような仕上がりになるな〜」、「均一に付き過ぎるな〜」というクチコミをたまに拝見しますが、舞台経験者からすると、「う〜む、それは当たり前なのよん。」と言う感じなのよん。

舞台で使っていたとき、これのベースには鬢付け油（びんつけあぶら。づけ、じゃないです。）をぎゅぎゅぎゅべたあああぐいいいいぐいいいと塗っていました。痛い。この子自体もヤヴァいですが、鬢付け油もヤヴァいんです。

たまに、昔風の噎せ返るようなコスメ臭や、強い花の香りを、「鬢付け油みたいな香り」と仰る方がいらっしゃるんですが…

本物をご覧になったことがないんでしょうなあ…。

鬢付け油を侮るな〜。

固体だぞ。伸ばすのに摩擦熱が要るんだぞ。強い、油の酸化臭がするんだぞ。

時代劇で油売りのお兄さんが、街娘に売ってるような、質のいい椿油を想像してらっしゃるのでしょうなあ…。

ニキビが膿みます…
羽二重（はぶたえ。カツラ下？ちょっと違うか。まあいいや。）に塗り込まないといけないのが、耐え難かった…
でも、羽二重とこのファンデの前には必須。必須なのよ。このファンデ、直塗りしちゃ駄目って習ったのよ。

つけたらなかなか取れないんです。取らないために使用するものなんです。

まあ、トリビアとして。


★最初のクチコミ
きゃ〜！こんなのがある〜！！面白いですね、@cosme。
面白いからクチコミしておきますが、一般の女性は手を出さない方がいいと思います。演劇用なんて、抗酸化、油焼け対策など、考えて作ってはいませんよ。私は、日差しの当たる所ではつけたくありません。荒れる血が出る膿む老化すると、私の同僚の役者どもは言ってました。

舞台役者してた頃、先生のご指導でこちらを…ああ、トラウマが蘇ってきました。先生怖いよ。（ブルブル）

舞台用なので、キラキラする箔が入ってません。普通の化粧品は、マットタイプでも、見えない箔がたくさん入っています。この箔は、ライトに当たると目だってしまったり、個別に光ってしまうため、舞台上にいる人の肌が、普通の滑らかな皮膚の質感に見えなくなったり、ポワッと発光してしまうことがあるので、舞台用にはこれを入れないんだそう。箔が入ってると、塗りのばしやすく、テク入らずでキレイになれるそうです。
先生曰く、「箔が入ってない化粧品を使わなきゃいけないあんたたちは、人一倍化粧の練習をしないといけないのよ！」とのこと。

服に付きやすいんですよね…首まで塗れって言われてたし。付いちゃったら取れないですし。衣装を何着も駄目にしました。


言っちゃいます。私が乾燥敏感肌になったのは、主には多分、この子が原因です。鬢付け油も凄かったけど、ためしに鬢付け油無しで塗ってみたら…こ…こいつだ〜！！

肌に負担が大きいとかそういう問題じゃないです。この子を日常的に使っていた頃、肌がボロボロで、ニキビだらけで、いつも血が出てました。
でも、本番は近付いてくる。塗らなきゃいけない。先生に「痛いんです辛いんです」と泣きついたところ、
「甘えるなっ！これが使えない肌質なら、役者なんかやめなさい。成分にかぶれようが、血が出てようが、塗りなさい！」
って言われました怖いよ怖いよ〜


その後所属した劇団では、この子を使わなくてよかったので、助かりました。
現在は役者辞めちゃってまして、辞めるときには悲しくて大泣きしましたが、辞めて嬉しかったことがひとつだけあって、
…もうこの子を塗らなくていいんだってコト…

使わなくて済む職業の方は、一生使わないことをオススメします。

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