クリニーク フォー メン / クリニーク ハッピー フォーメン 口コミ

「ハッピー」って、改めて考えるとすごいネーミングだと思う。よほどの自信がないと使えない名前だ。そして、ボトルデザインもいい。きらめきのミラーシルバーと、やや蛍光っぽさも感じる元気なオレンジカラー。強烈。クリニークの他のコスメはどちらかというと、ミルキーパステル系な色合いで優しさを感じる品が多いのに、ここだけは、突き抜けて元気だ。

香調は、シトラスフローラル　とある。クレジットを見ても、ユズ、マンダリン、ライム、フルーツノート、グリーンノート、シダー、アンバー、サイプレス、グアヤックウッドとあるので、一般に柑橘系というとらえ方をされることが多いのだろうけれど、なぜか柑橘系とは思えない感じも。

それは果物の果皮などに含まれる酸味や苦みを感じないから。トップからマリン系やオゾン系によくあるスイカみたいな生っぽい瓜臭がけっこう強く出てきて、水っぽいオレンジの香りになっている気がする。

この香水は、シャネルのアリュール系のように、気候や付ける人の体温などで香り立ちが異なるシンクロノートという部類なので、一度出てきた香り立ちの和音は、終始変わらず減衰していく感じだ。けれど、気温が高くなってきたこの頃に付けると、冬の頃はあまり感じなかったややスパイシーなテイストがミドルで出てきた。これは、シセイドウメンのミドルにも共通している香りなので、檜に近いサイプレスだと思う。右手首には甘めの水っぽいミカンの香りがしているのに、左手は少し樹木系の香りがするなんて、おもしろいな、香水って。

気分をアッパーにしたいとき。何かに一区切りつけたいとき。シャツの袖をまくったり、ボタンをふだんより１つ多くはずしたくなったとき、そんなオン・オフの切り替えをしたいときにつけたい香水の１つだ。自分の場合はそんなとき、バーバリーのウィークエンド・フォー・メンやこのハッピー・フォー・メンをつけることが多い。前者が「黄色の柑橘」で、こっちは「オレンジの柑橘」かな。

透明感があって、優しく、そして、柑橘系フルーツのミックスによる軽やかさと、自然なうすい甘みも感じられる。男女問わず、年中使える最高にできのいいシェア・フレグランスだなと思う。そして、一番感じるのは、それらの下でベースとなっているキーワード、みずみずしさ。

ハッピー（幸福）という言葉に託された記号、なかなか解読は難しい。

あ、でも最後に１つ。これ、「コロン・スプレー」って商品じたいにも書いてるけど、トワレだよ。ちゃんと容器の下（2行目）に「オードトワレ」表記があるし、濃度もそう。じゃ、何で「コロン・スプレー」って書いてるのよ？って聞かれても、アメリカの企業である「クリニーク」が、フランス語を使うのに、わかりやすくしたためらしい。だって、アメリカ企業が、「オー・ド・トワレ・ヴァポリザター」なんて書きそうもないしね。

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