ゲラン / ランスタン・ド・ゲラン プール オム 口コミ

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クチコミ49件中 9件目を表示

doggyhonzawaさん
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4購入品

2013/8/24 14:32:39

唐突ですが、「散文」と「散文的」って違うんですね。「散文」ってのは、五・七・五の定型文に対して、一般的にリズムをもたない文章です。現代の小説・詩歌は散文がメインとも言えるくらい一般的ですね。

ランスタンド・ゲラン・オム。とても評価の高いフレグランス。シャネルのアリュール系同様、トップ・ミドル・ラストの時系列による変化でなく、香りをまとう人のその時の肌質や湿度、体温、気候などによってさまざまに変化するシンクロ・ノート系。そういう意味では、シンクロ・ノートの香水って、それまでの時系列変化する香水を「定型文」とするなら、「散文」とでも言えるのかな。でも、あえて時系列で印象を書いてみます。

トップ。「ん?何だろう?」ややトニックっぽい匂いが一瞬。でもそれはすぐにとんで、現れてきたのは高いところでレモン系のすっとした香り。中くらいの高さでほんのりスパイシーな香り、それらが同時にふわあっと香りだちます。おお、この優しげなレモンぽい香り、オーデ・ゲランと似てるかな?そう思って、オーデ・ゲランを別の部位につけて、トップの香りを比較。お、オーデ・ゲランのシトラスの方が高いんだな。若干気になるシベット調な香りも、香りじたいの拡散性も、オーデ・ゲランの方が強い。というか、比べてつけて初めてわかったんだけど、ランスタンドの方は、かなり穏やかでまろやかな香り立ち。

ミドル。シンクロノートなので、劇的な変化はないものの、中くらいの高さのシトラスの背後から、甘い感じが見え隠れするようになる。あー、これがビターココアって感じだ。ふわっとカカオっぽい風味が感じられる。ディオール・オムほど、もわっとショコラ感ではないけれど。中くらいの高さにシトラス&ペッパー、そのすぐ下に少しだけ甘くパウダリーな感じを出しているビターココアという印象。もう、ミドルに入るとオーデ・ゲランとの差は歴然。オーデ・ゲランはずっとシトラスの高さを維持したまま、グリーンな葉っぱを感じさせるミドルにつながっているし、こちらは高度が下がってくる感じ。シトラスの冷んやり感が抜けて、下がってきたらやや甘いパチュリっぽい香りとカカオの香りのコンビネーションが絶妙に香る。強さはないけれど、そこはかとなく奥ゆかしく感じるから不思議だ。ああ、自己主張しすぎない大人な男に似合う香り、という感じかな。このミドルのパチュリの甘さやしっとり感+ほんのりココアなブレンドは、とても優しげで好感がもてる。でも香りじたいの拡散性は弱いと思う。(もちろん体温高めの自分の場合)

そしてラスト。ほんのりクリーミィな感じにサンダルウッドが優しげに香ってきて、これは心地いい。このへん美しい印象。シャネルのエゴイスト系のサンダルウッドのように、お香テイストが強調されすぎていない感じ。そして、ほんのりフルーティーでさえある。全体的にミドル〜ラストはきれいで、上品なフレグランスだなあと再認識。ちなみに、このあたり、オーデゲランは、まだ高いシトラス香を保とうとしつつ、干し草様の乾いた香りが下からむわーっと香ってずいぶん変化。こちらの方が甘く穏やかで落ち着いた印象。

まとめると。
まろやかなオリエンタル・ウッディ。ほんのりカカオの甘さつき。でも、ディオール・オムほどカカオ中心じゃない感じ。何か最初のレモン香で、オーデ・ゲランへのリスペクトを表しつつ、すぐに調香師本来の提唱する香りにもっていったかな、という印象にもとれる。調香師、何か気を遣いすぎじゃない?(笑)

ラストはサンダルウッドが甘くせつない。とても落ち着く木の香りです。香木って感じがします、本当に。でも全体的に、自分でもクンクンしなければわからないほどおだやかに香る印象がずっとあります。この調香で、もう少し拡散性があればと願うのはわがまま?そういう人はEDP買いなさいって?はい、そういう商売でしたか。そうですね。

なんか、口コミじたいがあっち行ったり、こっち来たりで、まさに「散文」ですね。あ、ちがう。こういう『とりとめのない詩情にとぼしい文章』は「散文的」っていうんだった。ちなみに、「散文的」という意味には、2種類あるんで、気をつけましょう。

「散文的」
A 散文のような形式・趣であるさま。
B 詩情に乏しいさま。無趣味でおもしろみのないさま。「―な解釈」


この香水、本来はAをねらって、「相反するコード」みたいなテーマとか新進気鋭の調香師とかシンクロノートなどの機軸を打ち出したんだろうけど、俺の印象としては、「とりたてて個性もなく、おだやかでまろやかで、Bのようだ」って感じでした。

「散文」と「散文的」の違いがわかって勉強になりました。

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