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クチコミ
先日ふらりと立ち寄った近所のデパートの物産展で、他社の国産の柘植ブラシと3.3寸携帯用櫛(5本歯、1センチあたり)を購入し、柘植櫛の良さに開眼しました。生来凝り性、工芸品美術品骨董大好きなもので、もっと本格的なものが欲しくなり、ネットでいろいろ調べた結果、廣島さんの櫛に辿り着きました。
そして、早速お電話で日時を予約し、先週、大宮の工房を訪問してまいりました。
当初は「東深川利久を」と思っていたのですが、大小様々、歯数も様々なたくさんの櫛を拝見すると迷いが生じました。そこで、廣島さんに相談にのっていただきながら、一通り試し梳きをさせていただきました。
東深川利久(確か11本、1センチあたり)はすっきりした佇まいの洗練された櫛で、手にしただけでも背筋が伸びそうな垢抜けた櫛でした。
でも、ひとつだけあった平安時代復元櫛(16本/1センチあたり)の美しさ、工芸品を超えて美術品とも言えそうな繊細な佇まいに強く惹きつけられ、どちらにするか再三迷った挙句、こちらをお譲りいただきました。加えて、夢の櫛(13本、1センチあたり)も娘が年頃になったら譲ってあげようと思いつつ、1本購入しました。
以来、朝晩、柘植ブラシで解かし、夢の櫛、平安時代復元櫛の順番で髪を梳いています。
まだ1週間足らずですが、今朝、髪を梳いていて、今まで感じたことがなかったコシやハリのような手応えを感じるようになりました。猫毛の癖毛なので、長年、コシとは無縁だった髪です。今後、どのように髪が改善されていくか、本当に楽しみです。
年に数回程度ですが偏頭痛に悩まされる時があり、こちらの櫛で梳くと良いマッサージ効果も期待できそうです。
また廣島さんのお姉さまの手作りという、櫛ケースもとてもかわいらしいです。二つとも梅の花色の上品な造りで、優しい肌触りです。ケースの内布の色合わせが素敵と思いましたので、写真も付しておきます。過去にどなたかのコメントで、マジックテープがとれてしまったというのがあったそうで「うちの櫛ケースは昔からスナップボタンだから、マジックテープは使っていないはず」(通販サイトを介した販売だったので他社のケースが紛れ込んだ可能性も?)と残念そうでした。
工房では、廣島さんもお姉さまも温かく迎えてくださいます。女性のお客さんが多いだろう中で緊張させることがないように、お姉さまも一緒に居てくださるようなお心遣いを感じました。
廣島さんからは、櫛職人として誰よりも良いものを作ろうという気概と矜持、また機械挽きが主流となり手作業の入る余地が少しずつ減ってきた櫛業界への危機感が伝わってきました。70年間の長きに渡り櫛作りに向かい合ってきた匠の技が、廣島さんの柘植櫛には集結されています。
手挽きでしか成し得ないという、平安時代復元櫛の歯の細かさには心底驚かされます。
私の櫛の背部には、強めに燻蒸のこげ茶色が入っています。「しっかり燻蒸されてこそ、強度としなやかさを併せ持った良い櫛材になる」とのお話を伺って、そうした櫛の個性も気に入りました。歌舞伎役者の方たちは強く燻蒸が入った櫛を特に好んで買うそうです。30年も経つと、全体が飴色になり、燻蒸の色も周囲に同化するほどになるそうです。そうなるまで、こちらの櫛を大切に使い続けていきたいです。
写真1枚目:
左・平安時代復元櫛 4寸弱 全幅11.2センチ(16本歯、1センチあたり)
右・夢の櫛 3寸強 全幅9.6センチ(13本歯、1センチあたり)
写真2枚目: 梅の花色の櫛ケース
柘植櫛には集めたくなる魅力があります(頭はひとつしかないんですけどね^^)。次回は深川利久を購入したいです。
長文失礼いたしました。
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