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カラン。琥珀色のアイスティーがグラスに注がれると、氷が音を立てて鳴る。そこへガムシロップを少し入れ、スライスしたレモンをのせて、マドラーで軽くシェイクする。すると琥珀色だった紅茶が2段階明るいオレンジ系に変わる。暑い夏の午後に味わうよく冷えたアイスティーは格別だ。
カルトゥージアのメディテラネオ・オードトワレは、そんな冷たいアイスレモンティーの香りがするフレグランスだ。ピュアなレモンオイルをふんだんに使った、唾液が出そうなほど爽やかなシトラスとティーを感じる香り。
カルトゥージアは、イタリア半島西に位置するカプリ島にある修道院から生まれた「世界で一番小さな香水製造所」。その歴史は古く、ローマ法王に香水作りを認可された1940年に始まる。一番最初に作られたのは、島で採取される野生のカーネーションの一種、ガロファノ・シルヴェストレ・カプレーゼの神秘的な香りを香水にしたものだったという。以来、島で採れるレモンやオレンジ、ハーブなどの天然原料をもとに、昔ながらの製法を守りながら香水や石鹸、キャンドルなどを作り続けている。しかしながらそのプロダクツは2002年まで島内のみの販売にこだわり、イタリア国内にさえ流通を許さない門外不出のフレグランスだったようだ。
メディテラネオ・オードトワレは、2003年にリリースされているから、いわば解禁後に世界というマーケットに打って出るために作られたフレグランスだ。島内にあるカルトゥージアの販売店の中でも一番人気とされている香り、ではその特徴は?
オーソドックスなスクゥエアボトルからプッシュすると、これはこれは!と驚くほどのレモンのスプラッシュサワーが空気を撹拌する。まるで顔の前でレモンの果皮をぐいっと指で押しつぶしてレモンオイルの飛沫を飛ばしたかのよう。空気中に霧散したレモンオイルのさっぱりした酸味が景色すら漂白するかのような強烈なシトラスシャワー。と同時に感じられるのはミントの清涼感、ベルガモットがたっぷり入ったアールグレイの紅茶のコク。それらが渾然一体となって空気を浄化しそうな勢い。
トップにレモンが入ったフレグランスは山ほどあるけれど、レモン果汁100%キャンディーというくらい、これほどレモンを感じさせる香りはなかなかない。さすがレモンが特産物となっているカプリ島の香り。レモンの酸味と果皮のほろ苦さをこれでもかと味わわせてくれるオープニングだ。
やがて20分ほどかけてレモン・ベルガモット・オレンジのヘスペリディック・ノートが減衰していくと、ミドルはスッキリとしたハーブ&ティーノートが明確になってくる。ハーブはミントの清涼感を残しつつも、ややユーカリっぽいスッとした感じとクッキングハーブ様のグリーンな色を呈しながら、ティーの芳醇な香りを引き締めている印象。ティーは緑茶というより紅茶の香りに近いイメージだ。シトラスが減衰するほどに、午後ティーのストレートティーの風味に近付いていく感じがする。そして約1〜2時間、清涼感のあるティー・ノートが続く。
ラストはほんのり温かみのあるムスクで終息。わずかな量かも知れないが、ベースに人工香料は使用している様子。渋みのあるティーノートとムスクは、それでも自然な香りの印象を妨げずにフェードアウトしていく。
日本では50mlボトルで1.3万円前後。カプリ島で買うと5千円前後だそうなのでイタリア旅行する友人にお土産として頼んだ方がお得な香り。現在、EDTはすでに作っていないのか、公式サイトではEDPとPの扱いしか見当たらない。前半20分はミントジュレップ入りアイスレモンティーの香り。後半1時間ほどはイタリア人が好きなカモミールティーのようなハーブティーライクな香り。トワレにしては持続時間が短いものの、前半と後半でレモンから紅茶の香りへ移行していく変化がおもしろい作品。
島の断崖絶壁には世界的著名人らの別荘が建ち並ぶというカプリ島。小さな島内をそぞろ歩きすると、そこかしこにレモンの黄色い実がたわわに揺れ、あちらこちらからレモン料理やレモンリキュールのサワーな香りが漂ってくるという。
メディテラネオ・オードトワレは、そんなカプリ島のレモンとハーブと茶のミックス。まばゆい地中海の太陽を浴びて育ったフレッシュ・レモンの生しぼりフレグランスだ。
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Carthusia(カルトゥージア)について
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