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クチコミ
清々しいレモンの香りに包まれたい。それもほんの一瞬でいい。
猛暑が続くと、このようなニッチな要望も生まれてくる。
オーダドリアンのレモンの香りは、数多あるレモンの香りの中でも、群を抜いて好きな香りだ。
ただし、文字通り本当に一瞬で、1分満たない。その後、余韻すら楽しめない。
まるで、このフレグランスの要素のすべてをその1分に凝縮させましたと感じさせるほど。1分過ぎてからは階段を転げ落ちるが如く、見事なまでの崩れっぷりだ。
トップはシトラス。レモンのみずみずしい果実と、ピリッと酸味のある果皮を合わせたような、うっとりするような清々しい香り。残念ながら果実のみずみずしさはほんの一瞬、すぐにレモンやシトロン、グレープフルーツなどの果皮の香りに。
ミドルはシトラス-アロマティック。まだ5分しか経過していないのに、嗜好性は相当落ちてしまっている。鼻に付くシトロンが少し強めに主張し、そこにグレープフルーツのピリッと苦めな果皮と、粉っぽいアルデハイドをアクセントに加えた香り。すでに清々しいシトラスは乾ききっている。さらに森林を思わせるサイプレスのすっきりしたウッディが加わることで、一気にメンズ感が増す。このシトロンとアルデハイドとサイプレスの組み合わせは、あまり好みではない。肌に乗せるとここまでが30分程度。
ベースはシトラス-グリーン。レモングラスを思わせるような残香に、マンダリンオレンジの少しモタッとした甘さ。ほんの少し、明るいイランイランや粉っぽいムスクが香るも、かなり残香感が否めない。そのままヘタっていく形で消えていく。持続時間は2時間程度。
シャワーを浴びた後に、この弾けるような爽快なレモンに酔いしれたい。猛暑下、そんな衝動に駆られ、埃をかぶっていたオーダドリアンをスプレーすると、確かに香り!と心が弾むも、1分が過ぎると特にシトロンの果皮感が鼻に付く。せめて10分持ってくれればいい。
結局、使う目的が似ていて、さらに10分は楽しませてくれる4711オリジナルに手が届く。
オーダドリアンは1981年に発表されたアニック グタールの代表作であり、時代を超えて誰にでも愛される上品な香りとのこと。確かにとても嗜好の良いレモンの香りは嫌いな人は少ないと感じる。クラシカルと可憐さを合わせたボトルデザインはとても可愛らしい(メンズ用のスクエアボトルは普通)。
とはいえ、代表作と言われるオーダドリアンやプチシェリーの香りに触れると、キャラクターや深みに欠けると感じるため、正直、なかなか手を伸ばす衝動にかれらないメゾンでもある。
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