- クチコミ 2件
- 注目人数 人
- 購入者のクチコミで絞り込む
クチコミ
中東の香水の香水といえば濃厚な樹脂香、レザー、タバコ、ローズなどを主体とした、蜜のように肌に纏わり付くコッテリとしたものという印象があった。そんなイメージを打ち消す、爽やかで瑞々しいグリーンフローラル。買い手の気を引く為にトップは華やかな香水が多いが、これは煌びやかなだけではなく複雑な深みがある。
まず優しく円やか、かつ清涼感のあるフリージアの香り。バラ、ジャスミン、スズランからならる三大フローラルノートにフリージアは入っていないが、四大フローラルにして含めてもいいのではと思うほど好感度の高い匂い。特に女性がつけているものを男性が嗅いだ時が一番ウケがいいらしい。
フリージアとほぼ同時にグリーンノートと共に、ごく微かな硫黄と酪酸のような匂いがする。グリーンノートと一括りにされることが多いが、灼熱の砂漠の国オマーンの香水らしく、珍しいトロピカルフルーツのグリーンノート。トロピカルフルーツには硫黄と酪酸からくるねっとりとしたクリーミーさがあるものが多い。同じ植物だから葉も果実と共通の香り成分を持っているのかも。大きなバナナの葉っぱかなと勝手に予想。
さらに聴き慣れない花、ウォーターバイオレットも入っている。聞きかじりでほとんど知識はないが、バッチフラワーレメディというヨーロッパでかなりポピュラーな医療法があり、それに使われる花だとか。調べてみると他人と関わるのが苦手で世間から孤立したがり、ヘルプを素直に受け付けられない人に向いているようだ。バッチフラワーレメディは植物のもつ波動を利用して主に飲用することによって治療を行うとのこと。香水にしてつけても効果はあるのかな。是非機会があればウォーターバイオレットの香りを単体で嗅いでみたい。
ミドルはガーデニア、イランイラン、ジャスミンとよくある組み合わせだが、ナチュラル感が凄い。ケミカルな香料は化学式で簡単に表せるからか単調で深みのないものになりがちだ。使っている材料が良質なのだろう、いい意味での濁りとコクがある。香料界の濁り酒ってところか。
ラストノートは何の香りがさっぱりわからないけどスッと肩の力が抜けそうなほどいい香り。サンダルウッド、シダーとあるが樹木調の香りには感じない。かといってアンバーとムスクの濃厚な香りにも感じない。抽象的だが高級な厚手のシルクから漂ってきそうな滑らかでふんわりした上品な香り。
トップとミドルは4時間くらいで飛んでしまうのにラストノートになってから長持ち。朝つけて夜まで余裕で香っている。とは言ってもぴったりくっついて隣に座らないと分からない程度。アムアージュを初めてつける人や香害を気にする人にも良さそう。
Reflection Womanとはよく命名したもので水の透明感がある。とは言っても底の方まで透けて見えるような透明度ではなく、綺麗で透明な水ではあるが水草や苔がたっぷりと生い茂った水面に映った影といった風情。
フローラルは苦手な私だけどReflection Womanはたまにつけたいと思う。香りの中に風景が見えるから。まだ暑くなる前の午前中、水辺に行って中を覗き込んだ気分になれる。
学生時代に聞いた日本画の師匠と弟子の話。弟子が秋の夜を楽しむ綺麗な女性の絵を描いて師匠に見せた。誰が見ても非の打ちどころがない素晴らしい絵と思われた。そこで師匠が一言。
「鈴虫の声が聞こえてきませんね。」
それで弟子はまた一生懸命に修行する。
Reflection Wonanも然り。ただのグリーンフローラルではない。じっくりと心を落ち着けて味わってみる。すると香りの向こうに、砂漠がかなりの面積を占める国の貴重な水にキラキラ反射する朝の太陽が見える。清々しい空気の中で木々や花がざわめくのが聞こえる。そして水辺と水中の豊かな生態系が目の前に広がる。
トップノート: フリージア、トロピカルグリーンリーフ、ウォーターバイオレット
ミドルノート: ガーデニア、イランイラン、ジャスミン
ラストノート: サンダルウッド、アンバー、シダー、ムスク
- 使用した商品
- サンプル・テスター
- 購入品
アムアージュ(Amouage)について
メーカー関係者の皆様へ
より多くの方に商品やブランドの魅力を伝えるために、情報掲載を希望されるメーカー様はぜひこちらをご覧ください。詳細はこちら